トゥッチ出演のオススメ映画

スタンリー・トゥッチは本当に沢山の映画やドラマに出演しています。主役を演じることもありますし、主人公を支える重要な役割りの脇役も多いです。中には役名も付いていない全くの端役で出演している映画もあり、映画を観るたびに彼の顔を見ているのではないかと思うほどです。出演作品の多いスタンリー・トゥッチですが、中でも彼のキャラクターが引き立っていると私が思う映画を何本かオススメしたいと思います。

「シェフとギャルソン、リストランテの夜」

1996年に公開されたアメリカ映画です。トゥッチ自身が監督・脚本・主演を務めた作品で、多くの賞を受賞しており、トゥッチの出世作となりました。ストーリーはニュージャージーの田舎町が舞台で、そこでレストランを経営するイタリア移民の兄弟が、経営に行き詰ったり、借金の返済に困ったり、恋人にフラれたりとレストランを通した人間模様をハートフルに描いています。トゥッチはレストランのギャルソンで弟のセコンドを演じています。この映画はアメリカ映画っぽくない地味な造りで、日本人の「義理人情」に近い何かを感じ取れる温かみがあり、私はかなり気に入っています。出てくる料理がとても美味しそうで、みんなが楽しそうに食事をする風景が心に染み入ってくる映画です。またトゥッチが若くてカッコ良く、こんな役も出来るのかと大変驚きました。ストーリー自体はなんのことはないあらすじなのですが、反発しながらもお互いを思い合う兄弟の絆や、レストランを訪れる様々なお客さんとの交流がじんわりと温かい気持ちにさせてくれます。日本では余り知られていない映画ですが、観てよかったなと思える映画ですので、ぜひご覧になってみてください。

「プラダを着た悪魔」

ジャーナリスト志望の主人公が、悪魔のようなわがままで最悪な上司の下で前向きに頑張る姿を描いた物語です。主人公のアンドレアが上司に立ち向かいながらも成長していく姿が同世代の女性に高い評価を得て大ヒットしました。気軽にみられて元気になれる映画で、私も大好きです。トゥッチはアンドレアの働く雑誌「ヴォーグ」の衣装ディレクターでアンドレアの上司であるミランダの右腕・ナイジェルの役を演じています。ナイジェルはゲイなのですが、この役が実にトゥッチに合っていて、観ていてとても面白かったです。最初はぶつぶつ文句を言いながらもアンドレアを支えてくれるナイジェルの役柄には好感が持てました。最後にはミランダに裏切られてしまうという切ない終わり方も、実にトゥッチの役柄っぽくていいですね。アメリカのファッション業界がいかに厳しいものなのかという裏側もちょっとだけ覗けるので、ファッションに興味がある方も無い方も楽しめるのではないかと思います。出演陣が身に着けている「プラダ」や「シャネル」や「ヴェルサーチ」など豪華な衣装にも注目です。

「ラブリーボーン」

2009年のアメリカ・イギリス・ニュージーランドの合作映画です。僅か14歳で殺されてしまった少女が、天国と現世のはざまで家族や友人、そして犯人の人生を見届けながら、現世でやり残した思いを遂げようとするお話です。連続殺人の犠牲者となった少女が主人公という重たいテーマながら、死後の世界が美しく全体的にファンタジックな雰囲気のある映画となっています。トゥッチは主人公の少女スージーの家の近所に住む男・ハーヴイを演じています。何を隠そうハーヴイこそが連続殺人の犯人であり、優しげな容貌をしながら殺人の衝動を抑えきれない狂気の人物をトゥッチが怪演しました。今までのイメージを覆すようなトゥッチの変態最低野郎っぷりをとくと堪能できる映画だと思います。ストーリー自体は、殺された上、死体が見つからないことで家族が動揺し、離れ離れになっていく様子を天国から見つめている主人公が、「私は大丈夫だから」と家族に何とか伝えようと奔走するというのがメインで、犯人に復讐しようとか犯人を追いつめて自分の死体を見つけてもらおうとすることもありません。死んでしまったけれどあくまで前向きな主人公の姿が新しく、しっかりと未来を見つめて歩いて行かねばと思わされるような内容でした。変態に殺された少女といういくらでも陰惨に描けるテーマをここまで爽やかに描くことができるのかと、目からうろこが落ちる想いでした。

「ラッキーナンバー7」

友人を訪ねてニューヨークにやってきた青年が、不運なことにマフィアの抗争に巻き込まれてしまう様子をコミカルに、且つミステリアスに描いたサスペンス映画です。主人公のスレヴンをジョシュ・ハートネットが、殺し屋の役をブルース・ウィリスが演じています。トゥッチは、殺し屋とマフィアの抗争を追う刑事・ブリコウスキーを演じました。とっても痛快でオシャレな映画で、最初はトラブルに巻き込まれてしまう不運な主人公が、ちょっと可哀想だけど面白いというだけの映画かと思いきや、ストーリーが二転・三転し、上手い具合に観客をだまし、そして最後には大どんでん返しが待っているというのがとても魅力的でした。こういうタイプの映画はオチを知ってしまうともう面白味がなくなってしまいがちですが、この映画は何度見ても面白いのがすごいと思います。最後にドドーンとネタバラシをするのではなく、ちょっとずつちょっとずつ観客に「あれ?」と思わせていくのが巧妙で、先の展開が読めないのでドキドキします。俳優陣が豪華な所も見どころで、ルーシー・リュウやモーファン・フリーマン、ダニー・アイエロなど大物俳優が多く出演しています。そんななかでもきっちりと存在感を残すトゥッチはやはり名脇役ですね!

「ベートーベン」

トゥッチの出演作リストを観ると、「この映画にも出てたのか!」と驚かされることがありますが、その中でもちょっと嬉しかったのがこの「ベートーベン」です。この映画はベートーベンと名付けられたセントバーナード犬が、その家族と巻き起こす様々な事件を描いたハートフルコメディです。子供の頃、この映画が大好きで毎日のように繰り返し観ていました。そのころはスタンリー・トゥッチなんて名前はまったく知らなかったので、彼が意地悪なペット泥棒の役を演じていたと知ったときには映画の想い出と共に彼の顔が蘇ってきてとてもうれしい気持ちになりました。セントバーナードのベートーベンがいたずらっ子なのですが、とても頼りになるいい犬で、子役たちの演技も可愛らしく、楽しい気持ちになれる映画です。辛いことがあった日などに見てみてください。

「Shall we Dance?」

周防正行監督の映画「Shall we ダンス?」のハリウッドリメイク版です。役所広司が演じた役をリチャード・ギアが演じ、竹中直人が演じた役をトゥッチが演じました。竹中直人のコミカル且つ若干気持ち悪い感じを上手に再現していて、さらにトゥッチの個性も上乗せしてあり、非常にいい役だったと思います。映画自体もとてもよく出来ていて、オリジナル版の良さをきちんと残しつつもアメリカっぽさも出ていて、日本のくたびれたサラリーマンもアメリカのくたびれたサラリーマンも余り変わらないんだなと思わされました。おじさんが趣味に打ち込んで頑張る姿は見ていて微笑ましいですし、私ももっと頑張らねば!と決意を新たにしようと思いました。とても前向きになれる映画なのでおすすめです。

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