映画「恋する人魚たち」

映画「恋する人魚たち」は、1990年に公開されたアメリカの映画です。奇抜なファッションと言動で知られるシェールは、その印象のせいか自由奔放な人物を演じることが多いです。この映画でもシェールはそんな役で、他人とのしがらみを嫌う風変わりな母親という役を熱演しています。共演はクリスティーナ・リッチとウィノナ・ライダーです。クリスティーナ・リッチはこの映画がデビュー作でした。ウィノナ・ライダーは長女役で出演しているのですが、当初子の役はエミリー・ロイドが予定されていました。しかし、母親役のシェールと全く似ておらず、娘に見えなかったためウィノナが抜擢されたそうです。彼女は本作でゴールデングローブ賞助演賞にノミネートされています。

ストーリー

1963年、まだジョン・F・ケネディが大統領を務めていた頃のアメリカ。マサチューセッツ州の小さな町に、ある家族が移り住んできました。シングルマザーのレイチェル・フラックスは18回もあてどない引越しを繰り返してきた自由人で、15歳の長女シャーロットはそんな母親に反抗してか、ユダヤ系にも関わらずカトリックの修道女になるのが夢という女の子。レイチェルの妹ケイトは、水泳選手を目指すやんちゃ盛りで、お風呂場で毎日トレーニングに励んでいます。古い一軒家で新生活を始めたフラックス家。しかし、奔放なレイチェルは靴屋の店主ルーに、堅物のシャーロットも家の管理人であるジョーに、それぞれ恋をします。レイチェルはすぐにルーとベッドを共にするようになりますが、彼を家族の一員にするつもりはなく、娘たちと仲良くするのも気に入らない様子。一方のシャーロットはジョーに恋い焦がれながらも、若くして自分達を産んだ母と同じ道をたどることを恐れて、産婦人科通いや家出など突飛な行動にでるのでした。しかし、町の仮装パーティで酔っ払ったレイチェルが、家まで送ってくれたジョーに勢いでキスをしたことから、シャーロットは嫉妬にかられて反撃を開始します。母のお気に入りのドレスを無断借用し、母の化粧品を使って厚化粧し、修道院の鐘楼に寝泊まりするジョーと逢引をするのでした。彼女が初めての経験に夢中になっている時、外で待たせていたケイトがあやまって川に転落してしまいます。幸い、ケイトは一命を取り留めましたが、この一件でレイチェルとシャーロットは大ゲンカになってしまいます。町で悪い噂が立たないうちに今すぐ引っ越そうという母に、ここに留まって高校を卒業したいと主張するレイチェル。お互いに言いたい放題した結果、すっきりしたのか二人は和解。しかし、シャーロットの初恋は、ジョーが町を離れるという形で苦い結末を迎えるのでした。レイチェルは、親身に面倒を見てくれるルーと真面目に付き合う決心をし、家族ぐるみで旅行にも出かけるという大きな進歩を遂げます。ケイトは再び元気にプールで泳ぎ、シャーロットは逢引の一件で一躍高校中の男子の憧れの的となっていました。マサチューセッツでのフラックス家の生活は、今新たなページをひらこうとしているのでした。

キャスト

  • レイチェル・フラックス(フラックス家の母親)・・・シェール
  • シャーロット・フラックス(フラックス家の長女)・・・ウィノナ・ライダー
  • ルー・ランドスキー(靴屋の店主)・・・ボブ・ホスキンス
  • ケイト・フラックス(フラックス家の次女)・・・クリスティーナ・リッチ
  • ジョー(フラックス家が住む家の管理人)・・・マイケル・シューフリング
  • キャリー・・・キャロライン・マクウィリアムズ

スタッフ

  • 監督・・・リチャード・ベンジャミン
  • 脚本・・・ジューン・ロバーツ
  • 原作・・・パティ・ダン
  • 製作・・・ローレン・ロイド、ウォリス・ニキタ、パトリック・パーマー
  • 音楽・・・ジャック・ニッチェ
  • 撮影・・・ハワード・アサートン
  • 編集・・・ジャクリーン・キャンバス

三姉妹のような親子

シングルマザーと二人の姉妹の恋愛を描いたこの作品は、とても可愛らしい青春映画となっています。シェールは自由奔放で引越し魔な母親の役を演じています。映画で観ている分にはとても明るくて楽しいお母さんなのですが、実際に自分の母親がこういう人だったら嫌になることもあるだろうなと思ってしまいました。ですが、この時のシェールも若々しくて綺麗で、とても2人の子持ちには見えません。姉妹と一緒に歌い踊っている姿やシャーロットと本気でぶつかり合っている姿はまるで姉妹のようです。よくテレビなどでも仲良し親子と言って姉妹のようなお母さんと娘が買い物などを楽しんでいる様子が見られますが、この映画もまさにそんな感じでした。男好きで派手で嫌なことがあるとすぐ引越すというお母さんは大変そうですが、少し羨ましくも思いました。主人公のシャーロットは思春期ならではの悩みと葛藤している女の子です。自分勝手な母親に振り回され、そうはなるまいと修道女を目指しているのに、管理人の男の子に恋をしてしまいます。母親と同じ行動をとってしまう自分に対する戒めと性に対する好奇心の間で揺れ動く彼女の感情は、かつて思春期だった私には懐かしさを感じさせてくれました。このころってそうだったよなーと、しみじみと感じ、もう少し早く、10代の頃にこの映画と出会いたかったなと思いました。シャーロットとレイチェルは10代の娘と母にありがちなすれ違いが起こっていて、喧嘩ばかりしていますが、それでも離れたところではお互いのことを思い合っているのが分かり、温かい気持ちになります。レイチェルを演じたウィノナ・ライダーは、この作品でゴールデングローブ賞にノミネートされていますが、それにも納得の演技でした。若くてみずみずしい演技がとてもフレッシュで、キラキラと輝いている様子がとても可愛らしかったです。ウィノナファンの間では、この作品は彼女の代表作の一つと数えられているようです。また、次女のケイトを演じたクリスティーナ・リッチも非常にいい演技をしています。彼女はこの映画がデビュー作だったそうですが、こんなにも溌剌とした女の子は中々いないと思います。現在は拒食症や整形手術などで話題となっていますが、純粋で好奇心旺盛な可愛い女の子だったクリスティーナを見られるという点でも貴重な映画だと思います。ラストシーン、レイチェルとシャーロットが仲直りをし、家族三人で踊りながら食事の準備をしているところは、何度見ても温かい気持ちになります。10代の女の子にお勧めしたい映画です。

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